アトラクション

Brush Cutter

Brush Cutterの燃料コックを開け、
チョークレバーを引く

祈りを込めながら
リコイルスターターを勢いよく引き上げる

ブウォンッ、と唸りを上げて
エンジンが目覚める

２，３回アクセルを煽り、
エンジンの気分をうかがう

マフラーから出る白い煙は無色透明に変わり、エンジンオイルの焼ける匂いが立ちこめる

シャーン、シャーンと
チップソーが草を切る

エンジンのパワーに
シャフトが捻れるのを感じ、
アクセルを開ける

バイクがコーナーをクリヤーしていくようにハンドルを傾け、
突然現れる生き物や障害物に警戒しながら
シャフトを旋回させる

しばらくすると
あの無制限に生い茂った草地は緑の湖面にかわる

その上を涼しい風が
刈ったばかりの草の匂いを運んで来る
指先に残るわずかなシビレ、
疲れた身体はその風に癒される

その古いBrush Cutterは使うたびに限りない歓びと充実を与えてくれる

やがてそれは草刈り師にとって、かけがえのない存在となる

高性能、パワフルで軽量な最新Brush Cutterには負けるかもしれない

だが、その排気音と振動、キズやサビ、ペイントの剥がれは

 

最新のものにはない